グリーン移行を支える投資: トランジションボンド・ガイドライン
気候変動対策への投資には、さらなる加速と進化が求められています。近年グリーンボンドが導入されて以来、投資家による地球温暖化緩和プロジェクトへの資金提供を確保すべく、資本市場は大きな進歩を遂げてきました。しかし、まだ十分ではありません。さらなる進歩が必要です。アクサ・インベストメント・マネージャーズは、さらなる進歩を実現すべく、新しい債券の創設を提唱しています。これはグリーンボンドとは明確に異なるもので、当社では「トランジションボンド」と呼んでいます。「トランジション」とは「移行」を意味する言葉です。 グリーンボンドは、発行体が調達資金をグリーンプロジェクトに充当することを目的としています。ただし、当社が見るところ、こうした段階には達していない企業に手を差し伸べて実質的な影響を及ぼし得る投資という点では、大きなギャップが存在します。現状ではブラウン企業ではあるものの将来的にはグリーン企業に移行するという目標を掲げている企業 ― こうした企業への投資機会が存在するのです。これには、調達資金を充当できるような適格グリーンプロジェクトを持たないがゆえに現時点ではグリーンボンドを発行できない企業も含まれます。トランジションボンドはこうした企業への資金提供を目的とするもので、つまりは、現状では世界の企業の大半がその投資先となり得ます。この新たな資金提供形態は、低炭素社会への移行を支える上で極めて重要な役割を果たす可能性があると、当社ではみています。本書に記すガイドラインは完成形ではなく、発行体、投資銀行、投資家、政策立案者といった幅広いステークホルダー間での対話を促すことを目的としています。
当社はこうした対話の中心になれればと考えており、皆さまからのご意見を歓迎いたします。本ガイドラインは、移行を支える投資という新たな市場の創設を目指す当社が、これを先頭に立って実現すべく進めている取り組みの一環です。
【ご留意事項】
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