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スコープ3を理解する:責任ある投資家が最も無秩序な排出量にどのように向き合えるのか


キーポイント

  • 企業の温室効果ガス排出量は、スコープ1、スコープ2またはスコープ3と区別される。スコープ1は企業の事業活動からの直接の排出量であり、スコープ2は事業における電力利用に関する排出量を指す

  • 企業のスコープ3排出量はバリューチェーンに沿って発生するもので、事業活動の上流(前)および下流(後)を含む

  • スコープ3データの入手可能性、品質、信頼性が懸念されるが、法規制により改善が促されつつある

  • 合算ではスコープ3排出量が排出量全体の79%を占める。そして、スコープ3排出量の3分の2(すなわち全排出量の半分)が製品の使用に由来する。これはスコープ3の削減の大半が、製品の変更または需要動向の変化により達成されることを意味する

  • 化石燃料への依存度が高い一部のセクターでは、本来的なネットゼロ・スコープ3とは、現在の製品を完全に廃止するか、製品を一から設計し直すことを意味する

  • アクサ IM はネットゼロをコミットしており、投資先企業が自社の気候変動報告にスコープ3を含めることを望んでいる。しかしながら、自社の管理が及ばない外部の要素を含め、複雑なバリューチェーンをスコープ3に対応させるにあたっての困難を考慮すると、現時点でこれが完璧に実現していなくても理解できると当社は考える

一定のレベルでは、一企業の活動に由来する排出量の規模を理解することは容易です。ある工場が何百万ものプラスチック機器を製造している場合、それにより排出される温室効果ガスの量と、製造に使用されたエネルギーにつながる排出量を測定することができます。しかしバリューチェーンの上流および下流を見ると、ユーザーが製品を実際に使用し始める時点で、構図が少し不透明になる可能性があります。

責任ある投資家が、自らの気候目標や、さらに広範にネットゼロに向かう世界的な動向にポートフォリオを合わせようとするにつれ、排出量算出に関する様々な理解がこれまで以上に重要性を増しており、またその可能性も増しています。「スコープ3」と呼ばれる間接的排出量は、大気中に放出される温室効果ガスの分類に関して長年にわたり確立されたモデルに適合します。

アクサ IM は「ネットゼロ・アセットマネージャー・イニシアチブ(NZAMI)」の一員であり、当社の投資に関してネットゼロ達成をコミットしています。これは、当社の投資先企業が現在または近い将来に、広域なネットゼロ目標を設定すべきであることを意味します。スコープ1および2排出量は、絶対的にこの目標の対象でなければなりません。そしてスコープ3はより複雑であるものの、目標の一部をなす必要があります。最初は限定的なレベルでありながら、時の経過とともにスコープ3全体を対象にする明確な姿勢が求められています。

スコープ3などの詳細については、英語版PDFをご覧ください。

(オリジナル記事は2月23日に掲載されました。こちらをご覧ください。)

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