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コアCIOの見通し速報 -市場アップデート-
コアCIOの見通し速報 -市場アップデート-
市場価格の動向は、以下に述べるいくつかの要因を反映しています。短期的な危険性は、価格下落の勢いがファンダメンタルズを支配し、株式市場とクレジット(信用)市場の異常な動きにつながり、経済見通しの変化を脅かすことです。このようなシナリオでは、中央銀行が何か対策を打つことも排除できないと見ています。
市場の混乱を引き起こした原因について:
- データの軟化、特に米国の非農業部門雇用者数の回復の鈍化と失業率の上昇から生じてきた、米国経済や世界経済の見通しの変化。労働市場の鈍化は以前から予想されていましたが、市場では、失業率の上昇は、現在、米国で景気後退入りする可能性を示す兆候となる恐れがあると考えられ始めました。
- 欧州中央銀行(ECB)、スイス国立銀行、イングランド銀行(BoE)はインフレ低下に対応してすでに金融緩和を行っている一方で、連邦準備制度理事会(FRB)がまだ金利を引き下げていないことに対する、市場の失望感。
- バイデン氏の選挙戦からの撤退と世論調査に見られたトランプ氏有利の縮小によって強まってきた米国での政治的不透明感。
- 特に中東で強まる地政学的緊張。イスラエルとイランの全面的な対立も排除できない可能性があると見ています。
- テクノロジー銘柄の業績は依然堅調ではあるものの、4~6月期の業績に対して予想を下回ったことが一因となって起こった、特に米国でのテクノロジー銘柄に対する利食い売りの動き。しかし、経済の鈍化が広がり、企業が慎重な姿勢を強める場合には、これまでテクノロジー銘柄の株価上昇を支えた人工知能(AI)への投資に影響を及ぼす可能性があります。
- 一般的に、S&P500採用企業の業績は堅調ですが、目を見張るほどではない一方で、今後数四半期の期待が市場をけん引していたこと。
- 夏場の取引状況と流動性の低下が市場の動きを悪化させた可能性。
- 最近の円高がショートカバーを引き起こし、それがキャリーの比較的高い資産の売却を誘発した可能性。
これに対する対策は何か?
- 次回9月18日のFOMCよりも前にFRBが利下げに踏み切ること、ないしは、FRB関係者から金融緩和に関する強いシグナルを発すること
- 他の中央銀行の行動
- 経済データの再評価:市場が、米国経済はまだリセッション(景気後退)ではないと改めて評価すること
- イスラエル・ハマス間の休戦を伴う中東の緊張緩和
通常、市場は落ち着きを取り戻すために中央銀行の行動に期待すると思われます。また8月が今回のように大きく変動することも異常ということではないと見ています。IMFが7月に示した最新の経済見通しにあるように、世界経済の基礎的なファンダメンタルズは良好と思われます。米国雇用市場の軟化は考慮しなければいけませんが、求人数は増えており、雇用者数も依然として増加している一方、失業率の上昇は一時的な雇用状況を反映している可能性があります。
しかし、短期的には、不透明感がリスク回避の動きを促進し、その場合、国債や高格付けのクレジット、またはスイス・フランや日本円のような通貨が買われる可能性があると見ています。
過去の実績は将来の成果を保証するものではありません。
(オリジナル記事は8月5日に掲載されました。こちらをご覧ください。)
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S&P500指数:S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス社が算出する米国の500社の値動きの平均を示す時価総額加重平均型株価指数です。
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