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生成AIのマクロ的インパクト:これまでの技術革命から学べること


キーポイント:

  • 生成AI(人工知能)の出現は、それがどれだけの速さで世界経済にインパクトを与えるかについての議論を加速させています。AIは生産性の著しい向上を約束し、技術革命の次の波となる様相を呈しています
  • 18世紀の産業革命以降、これまで5つの技術革命がありました。各革命が類似のパターンをたどり、およそ50年間続きました
  • AIはより短い期間で実装が進む可能性がありますが、かつてAIブームが衰えたのは、技術的な実現可能性の問題によってではなく、広範な社会や組織における変化の速度が原因であり、これは今日でも同様に課題であると思われます
  • このような新たな技術の経済的インパクトは、生産性、成長、低インフレを促進すると思われます。しかし歴史は、このような発展を切り離して検討することに注意するよう教示しています。失業の脅威および政府と規制の役割が、最終的な経済効果に影響するでしょう

「運命などなく、自ら作り上げるもの」

ChatGPT の始まり、およびその他の生成AIインターフェイスの導入により、AIが世界経済に著しいインパクトを与えるまでにどれ位の時間がかかるかが、再評価されています。モバイルゲームの開発会社 Gala テクノロジーの最高経営責任者、Jia Xiaodong氏は最近、ブルームバーグ・ニュースに次のように述べています:「過去3~4カ月におけるAIのゲーム産業へのインパクトは、過去30~40年間の変化と同じ位劇的かも知れません。」1 。コンサルティング会社のマッキンゼーは今年初めの報告書 「生成AI出現」2 の中で  現在のあらゆる人間のタスクの70%を技術的に自動化できるようになる期間の推定を、2029年~2049年(2017年時点)から2025年~2028年に前倒ししました。

AI技術の出現に対するこのような劇的な再評価は、大小を問わず、グローバル経済かローカル経済かを問わず、地球上のあらゆる経済 にとって様々な多くの重要な機会と課題を生み出します。本レポートでは、AIの到来をこれまでの汎用技術革命に位置付けて検証し、おおよそ50年間にわたり世界経済を形成してきたような出来事に共通する一定の特徴を引き出します。また、AIの潜在的な類似点と相違点も分析します。

さらに、この新しい技術と共に出現しそうなテーマも検討し、マクロ経済面で起こりうるインパクトを評価します。生産性の上昇が主な牽引力となって、大幅なプラスの供給ショックを引き起こす可能性があります。これは成長とインフレ軽減にプラスの影響を与えます。ただしこれはまた、失業、教育、税制や規制面での政府の役割に関して大きな問題を引き起こす一方で、私たちの政治システムに深刻なショックをもたらす恐れもあります。これらは非常に興味深いテーマであり、本レポートは各テーマの手始めに過ぎません。

世界経済は複雑なシステム、つまり、その構成要素の行動が互いに作用しながら有機的に出現するシステムです。したがって、AIのインパクトは、これらすべての要素の相互作用に依存し、私たちが今後数カ月、数年にわたって行う選択に左右されるでしょう。「運命ではなく、自ら作り上げるもの」3 という文化的表現は、経済の見通しについてはその通りであると、当社は考えます。成長、インフレ、失業その他の面における国際経済への究極的なインパクトの一部は、AI技術そのものにまつわる大きな不確実性だけでなく、AIが実際どのように実装、規制、課税されるかを含み、実装に伴う選択にも反映するでしょう。このため現時点では、いずれの見通しに関しても有力な予測が困難になっています。   

(オリジナル記事は9月25日に掲載されました。こちらをご覧ください。)

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