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クリーンテック戦略月次レター:市場はエネルギー効率向上に貢献するIoT関連企業に注目


クリーンテック戦略月次レター(2023年2月の振り返り)

市場はエネルギー効率向上に貢献するIoT関連企業に注目

EU、米国に対抗しグリーンディール産業計画を発表

当月は、米国で市場予想よりも底堅い経済指標が発表されたことを受け、利上げのピーク到達が遠のいたとの観測からグローバル株式市場は下落しました(現地通貨ベース)。地域別では、ゼロコロナ政策解除後に他の地域を上回るパフォーマンスを示していた中国が当月は下落しました。セクター別では、素材、不動産、公益などのセクターが下落した一方、情報技術セクターは市場全体を上回るパフォーマンスとなりました。前月に続きグロース関連銘柄がバリュー関連銘柄を上回るパフォーマンスとなりました。

2月のクリーンテック戦略は、世界株式(MSCI ACWI、米ドルベース)をアンダーパフォームしました。これは「スマートエネルギー」の低迷によるもので、市場全体のセンチメントの悪化がいくつかの高成長企業の重荷となりました。「低炭素輸送」は引き続き堅調で、「廃棄物処理・資源有効活用」と「持続可能な食品供給」は市場全体と同水準のパフォーマンスとなりました。

産業・商業部門において、エネルギー効率向上等に貢献するIoT関連コネクテッド機器やスマートメーターなどのニーズが高まっています。

ワイヤレス技術を駆使したIoT関連コネクテッド機器やメーターが堅調

低炭素輸送関連分野では、ワイヤレステクノロジーを駆使した半導体デバイス、IoT(モノのインターネット)向けソフトウェアやシステム・ソリューションの主要サプライヤーであるシリコン・ラボラトリーズがプラス寄与となりました。同社は、2月上旬に市場予想を上回る2022年10-12月期決算を発表し、産業・商業部門においてエネルギー効率向上等に貢献するIoT関連コネクテッド機器やスマートメーターなどが牽引役となり、消費者向けのホーム&ライフ部門の不振を補いました。2023年1-3月期のガイダンスも市場予想を上回っており、消費者関連部門の在庫調整が進み、成長軌道に乗りつつあるとの見方が出ています。

EU、各種優遇措置や産業政策でネットゼロ実現目指す

当月、欧州連合(EU)は、米国が気候変動対策に向け導入したインフレ抑制法に対抗して、「グリーンディール産業計画」を発表しました。今後成立を目指す「ネットゼロ産業法案」では、ネットゼロ実現に貢献する産業に対する税制優遇、加盟国による補助ルールの緩和、クリーン・エネルギー生産拠点の認可プロセスの簡素化などが盛り込まれる見込みです。市場は今のところ大きな反応を示していませんが、今後より具体的な内容、補助金や予算の規模が明らかになるにつれ関心が高まるものと思われます。

欧州委員会はこのほど、大型車の新たな排出規制案を発表しました。今後、トラックなどでもEVやFCVの導入拡大が見込まれます。

また、EUの欧州委員会は2月中旬、ネットゼロ実現の加速を目指し、トラックやバスなどの大型車の新たな排出規制案を発表しました。2030年以降に販売される新車大型車の二酸化炭素排出を、2019年比で45%減、2040年以降は90%減を目指すものです。これにより、大型車においても電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)の導入拡大が予想されるため、EV関連企業の業績や設備投資への追い風になるとみられます。

なお、企業の温室効果ガス排出量の約80%を占める「スコープ3」(バリューチェーンに沿って発生する排出量)に関するインサイト(「スコープ3を理解する:責任ある投資家が最も無秩序な排出量にどのように向き合えるのか」)を、当社クライメートリサーチ・ヘッドのオリヴィエ・ユージンが執筆していますので、ご覧ください。

ポートフォリオの動向

スマートエネルギー関連分野では、主として米国の公共および民間企業にエネルギー効率化ソリューションを提供するアメレスコがマイナス寄与となりました。同社の10-12月期決算で、プロジェクトの遅れや一部の再生可能天然ガス設備における予定外のメンテナンスなどが影響し、売上および利益が予想を下回ったことから株価が下落しました。引き続きサプライチェーン問題の影響は続いているものの、同社の経営陣は、長期業績見通しは約26億ドルに上る強力な新規案件パイプラインやインフレ抑制法を背景としたプロジェクトの増加などに支えられていることを再確認しました。

環境汚染関連分野では、欧州最大の段ボールメーカーで、南米でも主要プレーヤーであるスマーフィットカッパグループがマイナス寄与となりました。過去数カ月において需要低下と在庫調整が同社の価格決定力に重くのしかかりましたが、原材料の調達・加工から紙の生産、段ボールへの変換までを統合して行う事業モデルのコスト面での優位性を鑑みて同社が有利な立場にあることに変わりはありません。長期的には、同社はEコマースの浸透や持続可能な梱包材への移行に引き続き恩恵を受けると見ています。

持続可能な食糧供給関連分野では、食材メーカーのケリー・グループがプラス寄与となりました。同社は栄養価の向上、賞味期限の長期化、植物由来の代替肉・乳製品の開発などを通じて持続可能なソリューションを食品産業向けに提供しています。コロナ禍のロックダウンで外食産業が打撃を受けたことから同社の株価は低迷していましたが、最近の数カ月で販売量が大幅に回復し、経営陣が示した2023年の業績ガイダンスも概ね良好な内容であったことが好感されました。

クリーンテック戦略月次レター:市場はエネルギー効率向上に貢献するIoT関連企業に注目
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