アクサIMを名乗る者からの投資勧誘等にご注意ください。詳細はこちら

グリーンボンドをグローバルの配分に組み入れる方法


キーポイント:

  • グリーンボンドは、引き続き環境面での利点を実現するために最も適切な手段のひとつである一方で、グローバルで多様化し十分にバランスの取れたユニバースへと広がっています
  • この資産クラスへの投資家の投資意欲は依然として強力ですが、トラッキング・エラーの問題に直面することがあります
  • グリーンボンドは米国債への少額の配分と組み合わせることで、トラッキング・エラーの問題を解決しながら、グリーンボンドへの投資のメリットを得られる可能性があります

グリーンボンド市場の成長と機会

グリーンボンド市場は過去2~3年で、小規模で特殊な市場から、従来の債券市場に代わりうる信頼性の高い市場に成長しています。クレジット・セクターの多様化が継続し、ソブリンの発行が増加しており、今年初からのグリーンボンドの発行額は2022年と2021年に達成されたこれまでの最高水準を25%上回っています1 。この資産クラスは、比較的高い透明性という利点があり、融資したプロジェクトを追跡し、環境面での利点を評価し、明確なKPIに照らして測定できる為に、歴史的に投資家を惹きつけてきました。グリーンボンドは今日、高水準の発行が続いているので、700を超える発行体と1.4兆超ドルの時価総額をもつグローバルで多様化したユニバースを提供できるまでに至っています。

出所:アクサ IM、Bloomberg 2023年8月31日現在

投資家の強力な投資意欲

気候変動のリスクに関する意識の高まり、透明性に対する需要の増加、規制上の監視といった背景の中で、この商品の潜在力を最初に把握したのが機関投資家でした。しかし信頼性の高い持続可能な投資ソリューションへの需要が急増したことによって、大手金融機関や個人投資家もグリーンボンドに興味を抱くようになりました。金利が数年ぶりの高水準に達したことから、中央銀行の金利がピークに近づきつつある現在、グリーンボンドも従来の債券ユニバースと比較して、魅力的な利回り水準と適切なキャピタルゲインを獲得しうる可能性を提供しています。

出所:アクサ IM、Bloomberg 2023年8月31日現在

しかし、一部の投資家が、グリーンボンドを完璧に適合するように個別の配分を構築する柔軟性を持っているとしても、投資家の多くは未だに伝統的なベンチマークに基いた戦略的な資産配分を行い、トラッキング・エラーの問題に直面しています。

トラッキング・エラーの問題

グリーンボンド市場は平均デュレーションや格付けという観点では従来の債券市場に近づいてきたと思われますが、依然としていくつかの違いがあります。グリーンボンドのユニバースは従来の市場と比べてユーロ建てやドル建て債券への集中度が高く、クレジット・セクターの債券へのエクスポージャーが高くなっています。

出所:アクサ IM、Bloomberg 2023年8月31日現在

これらの違いにより、グローバル・グリーンボンド指数とグローバル総合指数との間に200bpsに近いトラッキング・エラーが起こることになります。歴史的にはこれが大きなパフォーマンスの違いにつながることはなく、過去5年間における両ユニバース間の相関性は約91%でした2 。それでも2022年に見られた金利ボラティリティの上昇時に特に浮き彫りになりましたが、グリーンボンド配分を伝統的な債券総合指数と比較検討する際に、これらの違いを無視するべきではありません。

グリーンボンドを米国債と組み合わせる

グリーンボンドに配分しつつトラッキング・エラーの問題にも対処する非常にシンプルな方法があると、当社は考えます。グリーンボンドと米国債を組み合わせることでパフォーマンスの相関性が上昇し、グローバル債券指数のユニバースに対してトラッキング・エラーが減少することを発見しました。この組み合わせは、非常に流動性が高く低コストの方法を用いながら、上記で示したグリーンボンドと従来の債券市場の間の2つの主な違いに対処するものです。

当社は最適な配分を決定する目的で、グリーンボンドと最高40%の米国債を組み合わせたポートフォリオの組み合わせを数種類試行しました。その結果、米国債の配分が25%までであれば、より高いか類似の利回り水準を保ちながら、トラッキング・エラーが低下しパフォーマンスの相関性が向上することが判明しました。しかし米国債の配分を増やし続けると、相関性が上限に達し、トラッキング・エラーも下限に達しますが、その後相関性が低下に向かいます。

出所:アクサ IM、Bloomberg 2023年8月31日現在

グリーンボンドに75%配分し、米国債25%と組み合わせた場合が、潜在的にグリーンボンドへのエクスポージャーを獲得し、トラッキング・エラーを最小限に抑え、相関性を最大にし、結果として得られる配分の利回りを維持するのに最適な方法であると、当社は考えます。このような組み合わせは確かに、グローバル総合指数のユニバースと98%の相関性(グリーンボンドのみの場合の91%から上昇)を提供し、トラッキング・エラーは1%(グリーンボンド指数ユニバースによる実績の半分)になります。

今後の展望

グリーンボンド市場はますます活況を呈してきており、今後も引き続き興味深い投資機会を提供するものと思われます。魅力的なバリュエーションと信頼性の高い持続可能なソリューションを求める投資家にとってバランスが十分に取れたこの債券ユニバースは、透明性、測定可能性、絶対と相対の両面で魅力ある利回りという利点により、とりわけ魅力的になっています。グリーンボンドのユニバースに対する独自のアプローチを採る場合であれ、組み合わせの戦略を採る場合であれ、投資家は革新的でありながら率直な方法でこのユニバースの利点を活かすことができると当社は考えます。

 

 (オリジナル記事は9月26日に掲載されました。こちらをご覧ください。)

  • 5Ye65omA77yaQVhBIElN44CBQmxvb21iZXJn44CBMjAyM+W5tDjmnIgzMeaXpeePvuWcqOOAgueZuuihjOmhjeOBjDMsMDAw5YSE44OJ44Or44Gr5Yiw6YGU
  • 5Ye65omA77yaQVhBIElNIDIwMjPlubQ35pyIMzHml6Xnj77lnKg=

関連記事

債券

新興市場債券戦略の見通し 変わらないこと、変わったこと

債券

FRBの利下げが米国ハイイールド債戦略に及ぼす影響

債券

グリーンボンドを注意深く吟味する理由

    ご留意事項

    本ページは情報提供のみを目的としており、特定の有価証券やアクサ・インベストメント・マネージャーズまたはその関連会社による投資、商品またはサービスを購入または売却するオファーを構成するものではなく、またこれらは勧誘、投資、法的または税務アドバイスとして考慮すべきではありません。本資料で説明された戦略は、管轄区域または特定のタイプの投資家によってはご利用できない可能性があります。本資料で提示された意見、推計および予測は掲載時の主観的なものであり、予告なしに変更される可能性があります。予測が現実になるという保証はありません。本資料に記載されている情報に依拠するか否かについては、読者の独自の判断に委ねられています。本資料には投資判断に必要な十分な情報は含まれていません。

    投資リスクおよび費用について
    当社が提供する戦略は、主に有価証券への投資を行いますが、当該有価証券の価格の下落により、投資元本を割り込むおそれがあります。また、外貨建資産に投資する場合には、為替の変動によっては投資元本を割り込むおそれがあります。したがって、お客様の投資元本は保証されているものではなく、運用の結果生じた利益および損失はすべてお客様に帰属します。
    また、当社の投資運用業務に係る報酬額およびその他費用は、お客様の運用資産の額や運用戦略(方針)等によって異なりますので、その合計額を表示することはできません。また、運用資産において行う有価証券等の取引に伴う売買手数料等はお客様の負担となります。

    アクサ・インベストメント・マネージャーズ株式会社
    金融商品取引業者 登録番号: 関東財務局長(金商) 第16号
    加入協会: 一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人投資信託協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会、日本証券業協会

    お問い合わせ先:TOKYOMARKETING@axa-im.com

    ページトップへ