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現在、欧州クレジット市場に訪れている好機


キーポイント

  • 欧州クレジット市場の現在の利回り水準は、過去の水準と比較して魅力的
  • 欧州投資適格債において注目すべきセクター
  • 欧州ハイイールド債のデフォルトサイクルが引き続き抑制される理由

ここ10年間の低利回り環境を経て、債券投資家に明るい兆しが見えてきました。第一に、利回りが近年の最高水準でスタートしたこと、そして流動性とともにバリュエーションが今年の債券の重要なプラス要因となると思われることです。第二に、中央銀行の強気な市場サイクルは、過ぎつつあると思われます。そして第三に、2022年末に見られた安定したパフォーマンスが、投資家の信頼回復に寄与していることです。

魅力的な利回り水準

2023年における債券投資の大きなメリットとして、新発債のクーポンが1年前と比較して大幅に上昇していることが挙げられます。欧州クレジット市場の平均利回りは、1年前の投資適格債が0.9%(ハイイールド債は3.6%)であったのに対し、現在は4.0%(ハイイールド債は7.1%)に迫っています。1 当社は、債券市場における全面的な転換は、長期投資家にとって魅力的な機会を生み出す可能性があると見ています。

投資適格債のファンダメンタルズは堅調

欧州投資適格債市場では、ファンダメンタルズは引き続き底堅く推移すると見ています。過去数年間、 低金利でのリファイナンスの恩恵を受けてきた企業は、強固なバランスシートと高い流動性を維持しています。

当社が、特に注目するセクターがあります。金融業界では、銀行が純金利収入の増加の恩恵を受け、今後数四半期におけるリスクコストの上昇を相殺できるため、健全な状況が続くと思われます。不動産については、レバレッジとリファイナンスの必要性はあるものの、2022年を通じてバリュエーションが大幅に再調整されたことから、当社が高い確信を持つ発行体については、選別的にリスクを上積みする機会と考えています。

ハイイールド債にも一定の好機

欧州ハイイールド債市場では、当社は、信用リスクが管理しやすいしっかりとしたファンダメンタルズを持つBB格や一部のB 格の発行体を選好しています。この市場セグメントでは、2020年、2021年に資本再構築のためのリファイナンスが活発に行われたため、企業は良好なポジションを保持しています。景気後退の可能性が高まる中、投資家は金利リスクの影響を受けにくい短期債を検討することが望ましいと考えられます。

全体として、クオリティの高い短期ハイイールド債は、ユーロ圏のクレジット・ユニバースにおいて、依然として投資しやすい状況にありますが、クレジット選択とセクター配分に注目したアクティブ運用アプローチを維持することが鍵となります。

欧州クレジット市場:2023年にアウトパフォームする大きな可能性

2023年に入り、インフレや成長鈍化が企業に与える影響により、業績が下方修正される可能性があり、株式のバリュエーションについては幾分懸念があります。一方、インフレ低下を主眼とした主要中央銀行の抑制的政策により、一部の債券セクターの利回りは上昇しています。

今後数四半期にボラティリティが高まる可能性を排除できず、クレジット市場の先行きは不安定な状況が続くと思われます。しかしながら、インフレの減速は緩やかであり、債券市場において大きな調整を当社は予想していません。2023 年は債券の年であり、堅調なマクロファンダメンタルズと安定的な金融政策に後押しされた市場環境の中で、特に投資適格債やハイイールド債は魅力的な利回りを提供すると当社は考えています。

(オリジナル記事は2月15日に掲載されました。こちらからご覧ください。)

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