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ロボテック戦略月次レター:難局を乗り越えつつある企業


ロボテック戦略月次レター(2022年8月の振り返り)

難局を乗り越えつつある企業

<<4-6月期決算では、当戦略の投資対象企業の業績は概ねアナリスト予想を上回る>>

グローバル株式市場(MSCI ACWI、米ドルベース)は7月に反発した後、8月は再び下落に転じました。エネルギー価格の上昇や幅広い物価の上昇による消費減退への懸念から、マクロ経済の先行きに対する不透明感が市場センチメントを支配しました。当月のロボテック戦略は市場全体を下回りました。

なお、4-6月期の決算発表が終わり、当戦略で投資する企業は概ねアナリストの事前予想を上回る売上や利益を示しました。業績が弱含んだり、見通しが悪化している分野も一部では見られますが、企業は全般的に難しい局面をうまく乗り切っているとみています。

月末近くに米国で行われた経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」で、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、インフレ抑制のため利上げを継続する姿勢を示しました。

世界各国で高水準のインフレ率が報告されており、中でもエネルギー価格の高騰が物価を押し上げている欧州ではその傾向が顕著となっています。しかしながら、米国の7月のエネルギー・食品を除くコア消費者物価指数は前年比5.9%となり、3月につけたピークの6.5%から低下していることから、インフレ鎮静化の兆しが幾分見られます。また、米国2年物物価連動国債利回りから割り出される期待インフレ率を見ると、中期的なインフレ率は抑制されつつあることを示しています。2年物物価連動国債利回り(実質金利)から2年物国債利回り(名目金利)を差し引いて計算される2年先の期待インフレ率は3月には4.9%でしたが、8月末には2.4%まで低下しました。目下のところ、インフレ抑制を目的とした金融引き締め措置による経済活動への影響が、市場の最大の関心事となっています。

続く労働市場の逼迫状況、今後も自動化需要の押し上げ要因に

経済情勢は困難な状況にあるものの、労働市場は引き続き逼迫しており、高水準の求人件数が続いています。企業は適切な人材を容易に探せない、或いは労働コストが日増しに割高になるといった問題に直面しています。自動化によってこれらの問題の軽減が可能となることから、今後も自動化の需要を押し上げる要因になると考えています。

8月下旬にフランスの電力設備メーカーであるシュナイダーエレクトリックは約60%の株式を保有する英国の産業用ソフトウェア企業アヴィバ・グループの完全買収を検討していることを明らかにしました。両社とも当戦略の保有銘柄です。このニュースを受けてアヴィバ・グループの株価は大きく上昇しプラス寄与となりました。買収は正式発表されていないため、買収が実現しなかった場合に備えてこの機にアヴィバ・グループを一部売却しました。英国の買収規則の下ではシュナイダーは9月21日までに正式オファーをしなければなりませんが、まだ事態がどう進むか不透明で、状況を注視しています。

8月は株式市場が全般的に下落する中、半導体関連銘柄の多くは前月大きく上昇した後、軟調なパフォーマンスとなりました。9月初めに米国で開催されるカンファレンスにこれらの半導体企業も参加するため、当社では現地で経営陣の声を直接聞いて業績について確かめる予定です。半導体関連銘柄の中で明るいニュースとしては、組入銘柄の自動車関連半導体企業のウルフスピードが決算発表で予想を上回る売上を記録するとともに2026年における長期売上目標を当初より30-40%上方修正したことが挙げられます。これを受けて同社の株価は大きく上昇しました。同社はシリコンカーバイドのリーディングカンパニーで自動車および産業向けに強力な受注パイプラインを有しています。

8月には、米カリフォルニア州が2035年のガソリン車販売禁止決定など米国のEV動向で進展があり、関連企業の設備投資拡大が続いています。

米国でEVシフト加速し、設備投資の拡大続く

8月には米国の電気自動車(EV)動向で進展があり、関連企業の設備投資拡大が続いています。米カリフォルニア州は8月末、2035年以降に州内でのガソリン車やハイブリッド車などの新車販売を全面的に禁止する規制案の決定を発表しました。同州は、自動車各社に対して、EVの販売比率を段階的に高めていくこと義務付けます。また、最近成立した「インフレ抑制法」の目玉の一つが電気自動車(EV)購入に対する税額控除で、最大7,500ドル(約107万円)で北米生産EVが対象になります。こういった米国での急速なEVシフトを受け、ホンダは8月末、韓国電池大手のLGエネルギーソリューションと共同で米国にEV向け電池工場の新設を発表しました。投資額は44億ドル(約6,300億円)で、2025年の量産開始を目指します。トヨタ自動車も先月、米国で建設予定のEV向け電池工場に約25億ドルの追加投資を発表しました。

ポートフォリオの動向

当月は7月に堅調なパフォーマンスとなった自動車・産業向け半導体のオン・セミコンダクター、IoT関連半導体のシリコン・ラボラトリーズ、半導体試験装置および自動化機器のテラダインなどの半導体関連銘柄の一部を売却し利益を確定しました。半導体設計自動化ソフトウェア企業のケイデンス・デザイン・システムズも同様に一部売却しました。

米国の仙骨神経刺激装置を手掛けるヘルステック企業アクソニクスについても一部売却し利益を確定しました。同社の新製品は業界大手のメドトロニクスからシェアを奪っており、年初から当戦略のパフォーマンスに大きくプラス寄与しています。

当月は米国の電気自動車大手テスラを新たに組み入れました。同社は完全自動運転技術において着実に進歩を遂げており、ベルリン、上海、オースティン工場の稼働によって低コストでの生産を可能とし、事業の拡大や利益率の改善を支えると期待しています。

ロボテック戦略月次レター:半導体関連銘柄が回復
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