ロボテック戦略月次レター:企業業績には概ね底堅さ
ロボテック戦略月次レター(2022年5月の振り返り)
企業業績には概ね底堅さ
年初来で厳しい市場環境続くが、1-3月期には当戦略の組入れ銘柄の約80%で予想を上回る売上成長を記録
5月のグローバル株式市場(MSCI ACWI、米ドルベース)は引き続き変動の大きい展開となり、月の前半は下落しましたが、月末に向けて回復し、月を通しては小幅な上昇となりました。エネルギー価格高騰による消費の低迷が懸念される中、年初からの厳しい市場環境が続いています。当戦略は、市場全体を小幅ながら下回るパフォーマンスとなりました。当月は、主として米国の保有銘柄の株価が下落したことがマイナス寄与となり基準価額は下落しました。
サプライチェーン問題など困難な状況下でも企業は効率的に事業を展開
当月も1-3月期の決算発表が続きましたが、企業業績は概ね良好で、当戦略の組入れ銘柄の約80%が予想を上回る売上成長、約70%が予想を上回る利益を発表しています(出所:ブルームバーグ)。企業の多くは引き続きサプライチェーン問題や部品不足に加え、原材料コストの高騰についても言及しており、中には収益が圧迫されていると報告する企業もありましたが、全般的には困難な状況の中でも企業は効率的に事業を展開しています。
なお、不透明な市場環境下、ヘルスケアセクターは安定的な需要が見込めるためディフェンシブな性質を有しており、新型コロナで延期されていた手術などの需要も回復しつつあるため、堅調を維持すると予想しています。手術支援ロボット大手のインテュイティブ・サージカルは、1~3月期決算発表で経営陣が慎重な業績見通しを発表したこともあり株価が低迷していますが、昨年の大幅な株価高騰の反動という面もあります。同社の収益動向および主力手術支援ロボットであるダビンチシステムの設置台数は堅調に推移しています。
ポートフォリオの動向
プロセスオートメーションに注力する米国ソフトウェア企業のアスペン・テクノロジーは年初から堅調に推移しており、当月もプラス寄与となりました。同社は昨年10月、電子・電気機器、ソフトウェア製造大手のエマソン・エレクトリックからソフトウェア事業の一部を合併させ再上場させる提案を受け、合併は5月に完了しました。合併企業は、より幅広い製品ラインアップを顧客に提供できると同時にエマソン社が大株主となったことで強力な財務基盤を享受することができます。
当月は、年初から軟調なパフォーマンスが続いていた半導体関連銘柄が反発し、アドバンスト・マイクロ・デバイセス(AMD)、オン・セミコンダクター、マイクロチップ・テクノロジー、NXPセミコンダクター、シリコン・ラボラトリーズなどの銘柄がプラス寄与となりました。運用チームでは、現在の半導体供給不足などの問題について認識してはいるものの、半導体の重要なエンド市場の多くは堅調さを保っており、また半導体企業のバリュエーションも魅力的な水準にあると見ています。
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