
小型株式投資戦略を再び検討する時期が来ている理由
- 2025年3月31日 (5 分で読めます)
主なポイント
アクサIMグループ(以下、アクサIMといいます)の見解では、市場金利の低下とグローバル小型株式市場の相対的に割安なバリュエーションの組み合わせは現在、投資家にとって相対的に良好な投資機会を提供している可能性があります。大型株から離れることでポートフォリオの分散化を改善できる可能性があり、相対的に良好なバリュエーションになっている小型株式戦略への配分を見直す時期が来ているとアクサIMは考えます。さらに、アクサIM エクイティ QI(EQI) チームが採用しているような計量的投資アプローチは、この分野の投資家にプラスの成果をもたらすのに特に優れていると見ています。
魅力的なバリュエーション
小型株式市場は従来、大型株式市場と比べて割高あるいは同等のバリュエーションで取引される状況にありましたが、現在(執筆時)はそうではありません。株式市場のパフォーマンスは近年超大型企業、特に「マグニフィセント・セブン」として知られる大手テクノロジー企業(その多くが AI のテーマから恩恵を受けています)が席巻してきました。小型株式市場が注目されていないことのメリットは、この市場が特に大型株式市場と比べて良好なバリュエーションで取引されているため、相対的に良好なリターンをもたらす可能性があることです。
下記のグラフはグローバル小型株式市場の予想株価収益率(PER)のバリュエーションが、標準的なグローバル大型株式市場よりも低いことを示しています。バリュエーションの差は2020年から乖離し、拡大してきました。グローバル小型株式市場はグローバル大型株式市場との比較だけでなく、現在のところ長期平均バリュエーションよりも割安で取引されていることから、グローバル小型株式市場自体の過去の状況との比較でも良好なバリュエーションを提示していると見ています。グローバル大型株式市場は逆に、その長期平均バリュエーションよりも割高な価格で取引されています。収益成長で調整した場合でも、小型株式市場は大型株式市場よりも割安であり、PEGレシオ(株価に対する収益成長の割合)で測定される長期平均バリュエーションと比較しても割安の状況にあります。
潜在的リターンのばらつきが相対的に大きく、広く見いだされる一連の投資機会
小型株式投資ユニバースは相対的に良好なバリュエーションを提示している一方、ユニバースは多種多様な銘柄で構成されています。この規模から考えると、このユニバース内に多数の投資機会があることも不思議ではないと見ています。リターン創出の面では、小型株式のユニバースの中でより良好な企業とより劣る企業間の差が大型株式ユニバースよりも大きいことを認識することも重要と見ています。精通した株式投資家にとって、そのような差は超過収益(アルファ)を生み出す機会を増やします。
質が相対的に低い企業の銘柄に配分することで損失可能性が生じるリスクを考慮すると、投資ユニバースの大部分を一貫して評価する能力と技術を使用した分散投資戦略の方が、長期的に安定した投資リターンを上げる可能性が高いと考えています。
小型株式投資戦略に計量的手法を採用
多数の企業を分析して相対的に良好な投資機会を特定しながら損失を出す企業を避け、小型株式戦略への投資にアクティブ運用の手法を用いることができる資産運用会社にとって、市場の広範さと深さが機会を生みだすと見ています。
しかし投資ユニバースの規模を考えると、継続的にすべてのグローバル小型株式企業を適切に調査かつモニタリングするには、銘柄選択に多くの人員が必要となると考えます。小型株式ユニバースは従来よりも情報不足に悩まされており、以下のチャートが示すように、伝統的なセルサイド・アナリストの調査対象になることが少ない状況です:
出所:AXA IM、2025年1月現在。指数採用銘柄株式のセルサイド・アナリスト調査対象平均、
2024年10月現在の株式ユニバース。
この理由から、アクサIM EQI チームが使用しているような体系的な投資手法がとりわけ相対的に強力と見ています。アクサIMのチームは豊富なデータセット(財務情報および非財務情報)と機械学習技術を含めた高度な分析技術を使用し、一貫した投資の枠組みを用いて世界で10,500社の小型株式企業を評価しています
EQI チームはグローバル小型株式ユニバース内の投資可能企業のそれぞれについて、事業の質、収益属性、バリュエーションに関する詳細な見解を継続的に打ち出し、調査が十分に行われていないこの広大な小型株式ユニバースにおける非効率性と投資機会を特定しています。
マルチファクター・アプローチを用いて小型株式市場に投資
結論として、グローバル小型株式市場への配分を再検討するのに少なくとも3つの理由があると考えます:
- 大型株式市場およびこれまでの履歴と比較してバリュエーションが良好
- リターンに大きなばらつきがあることは、アクティブ・マネージャーにとって、投資機会が広がっていることを意味する
- ユニバースが相対的に広大で、調査が相対的に不十分
小型株式市場はマクロ経済の変化に敏感であることから、アクティブ運用が今後も不可欠と見ています。アクサIM ではマルチファクター(バリュー、モメンタム、クウォリティのファクターに焦点)投資アプローチを採用し、詳細な企業分析のために高度な機械学習とモデリング技術から恩恵を受けつつ、ESG情報を組み入れた多様なポートフォリオを構築しています。
過去の実績は将来の成果を保証するものではありません。
(オリジナル記事は3月20日に掲載されました。こちらをご覧ください。)
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