ディフェンスを追求:10周年を迎えたサステナブル・エクイティ QI
キーポイント
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アクサ IM のサステナブル・エクイティ QI 戦略は2023年、画期的な10周年を迎えた
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本戦略はこれまで、コア・ディフェンシブ株式配分を通して投資家の投資目標達成への支援を目指してきており、その運用資産残高は約79億ドル(約1兆1,000億円)に上る1
- 10周年を迎え、エクイティ QI ヘッドのギデオン・スミスに戦略の概要などについて聞いた
ファクター投資について簡単に説明していただけますか?
ファクター投資とは、特定の類似した特性をもつ企業がどのようにグループとして行動するかを理解・説明する方法及びその投資としてシンプルに考えることができます。特定のパターンが認識され要因(ファクター)として検証されると、それを事後的に使用してリターンの説明や、事前に使用してリスクやリターンの定量化に役立てられます。
しかし当社の見解では、ファクター投資はファンダメンタル投資です。ファクターは企業の収益および、ある時点において同業他社と比べてどのように収益が累積するのかについて教えるものです。たとえばバリュー・ファクターを取ってみれば、投資家は、将来の推定価値よりも低い価格で現在の収益を買おうとします。同様にクオリティ・ファクターは、収益性、収益の持続性、潜在的な収益変化などをモデル化しようとするものですが、これらはすべて、企業のファンダメンタルズに本質的に根付いた洞察です。
「クオンツ」投資とは?
クオンツ投資とは単に、大規模に投資することです。通常アナリストが行っていることを、コンピューター、モデル、データを駆使して複製し、それをより広範なユニバース全体で再現可能な方法で行うことを目指します。当社のモデルにより、こういったことを拡大、改良、加速することができ、投資において当社が優位に立てると考えます。
ファクター投資とクオンツ投資は両立しますか?
すると思います。先ほど申し上げました通り、当社が自身をファンダメンタル投資家と考えるなら、より良いファンダメンタルズを捉えようとして、ファクターというプリズムを通して市場を見ます。私は、ファクターのより良いバージョンのひとつの構築法として、クオンツ手法を使います。
サステナブル・エクイティ QI 戦略にとってどんなファクターが重要ですか?
サステナブル・エクイティQIは、主にクオリティと低ボラティリティのファクターに注目した戦略です。これらの組み合わせが、景気循環を通じて堅固なパフォーマンスを達成するのに役立つと考えるからです。当社の分析によれば、高クオリティの収益を上げる企業は市場の上昇時にリターンを獲得しやすい一方、ボラティリティの低い銘柄へ投資することで市場の下落時に巻き込まれにくいためです。この非対称のリターン特性によって、サステナブル・エクイティQI戦略は、ディフェンシブなコア・グローバル株式の運用提案となります。
この戦略のクオリティへのアプローチに関してユニークな点はありますか?
クオリティとは、単に株主資本利益率(ROE)が高い銘柄を買うことではないと当社は考えています。企業の事業や活動を分析することで、真に持続可能かつ再現可能な収益性を持つ企業を特定できます。当社固有の方法でクオリティについて考えており、独自のモデルとシグナルを構築しています。その方法のひとつはクオリティの将来の変化を予測することであり、当社のアプローチはクオリティ・ファクターの単純な定義とは異なります。理想的には、収益性に関して高い競争優位性を持ち、現在の変動性の高い世界に直面しつつも収益を防衛できる企業です。
この戦略では他のファクターも使っていますか?
銘柄選択に当たり明示的に使用するわけではありませんが、バリュエーションに関するインサイトを使っています。これは、バリュエーションが投機的と見られる銘柄を避けるためです。これらの企業はひときわ高い野心が実現しなかった場合、失望を生むリスクを抱えているからです。
責任投資、言い換えればESG(環境、社会、ガバナンス)に注目する投資は、サステナブル(持続可能な)投資と同義ですか?
ESG投資は、単に投資だと思います。サステナビリティは企業を含む社会についての関心事であり、社会のあらゆる担い手に影響を与えます。企業が収益を上げる方法は、従業員への待遇や周辺環境への配慮から直接影響を受けます。こういった側面を測定し、収益に関連づけることはますます容易になっています。そして、ブランドの人気衰退や愚かな企業行動に対する罰金などの形も取ります。これらすべてがファンダメンタルズに影響を及ぼすため、私にとってサステナブル投資は単に投資であることを意味します。
最大の誤解は、投資家が、サステナブル投資を自分のコア株式配分とは別または異なるものと考えるときに生じます。サステナビリティは投資の中心に置くべきで、そして株式配分の中核(コア)部分にあるべきと当社は考えます。
それでは、ESGのうちどれが最も重要ですか?
3つとも明らかに重要です。「E」は企業の活動および、それが環境にどのような影響を与えるかに関してだと思います。「G」は企業活動の仕方やコーポレートガバナンス文化などに関してです。現在、私がひとつを選んで前面に出すとすれば、企業の行動がグローバル社会に及ぼす影響を表す「S」を選びます。私にとって、企業が従業員、取引先、顧客、ひいては世界全般に対してどのように行動するかは、私にとって最も重要な要素であり、ESG投資家として私たち全員が達成しようとしているものの核心にかかわる理解です。
責任投資のアイデアをどのように戦略に統合しているのか、少し教えていただけますか?
アクサ IM 全体の株式戦略と同様に、責任投資のアイデアは3つの方法で戦略に統合します。第1に、当社ではリサーチとポートフォリオ構築にESGデータを統合し(可能な場合は当社が採用するシグナルにESGのアイデアを組み込みます)、その後アイデアをポートフォリオに導入する際に、特定のESG KPI(重要業績評価指標)をターゲットとします。第2に、当社が投資除外で選択する株式クラスがあります(最終的に社会と投資家の双方にとって有害と考える一部のセクターや産業)。第3の柱はエンゲージメントです。投資除外のみでは企業行動を変えることになりません。当社は投資マネージャーとしての規模からだけでなく、主要保険会社である親会社の存在からも恩恵を受けています。これにより当社は、実質的に企業にエンゲージメントを行えます。
このタイプの戦略は、ポートフォリオ全般の中でどこにフィットしますか?
この戦略は、ファンダメンタルズおよび、それらのファンダメンタルズに対する当社の見解に影響を与える可能性があるESG情報を注視することから、投資家のグローバル株式のコア配分の一部と当社は考えています。変動の大きい銘柄を避けようとする一方で、高クオリティ企業(強力なブランドをもつおなじみの銘柄であることが多い)のポートフォリオを構築することは、景気循環を通して長期的なアウトパパフォームにつながる可能性があります。当社は適正な価格で戦略構築を目指していることもまた、これが長期保有向きのコア戦略であると言えるでしょう。
現在の環境では、サステナブル株式戦略が投資家にとって適切となぜお考えなのか、その理由を教えてください。
地政学的リスクが世界を取り巻き、インフレおよび金利、そしてそれらが成長にどのような影響を与えるかに関して根強い不確実性があることを当社は認識しています。そういった不確実性に直面している今、クオリティへの注目が依然として最重要であり、この不確実性を乗り切ろうとしている投資家へのサポートになると当社は考えています。それは、不確実性が長引く中でもリターンを得られると考えられるような、安定かつ持続的で再現性のある収益を上げる銘柄を見つけることです。市場は引き続き不透明であり、インフレが成長と企業収益への重荷となり、ボラティリティが急上昇する可能性があります。サステナブル株式戦略の低ボラティリティ・ファクターは、このようなシナリオのリスク軽減に役立ち、クオリティと低ボラティリティのファクターを組み合わせることで、今年の後半から来年にかけて起こりうる状況にうまく対応できると当社は考えます。
最後の質問 ― 座右の銘はありますか?
「率直に話すこと」です。同僚にも率直に話すよう勧めています。まず発言することです。質問をしなければ学べませんし、発言することでチームとしてより良い成果が得られます。そのようなオープンなやり取りやアイデア交換ができる環境にあれば、それがスタッフ、友人、同僚の間でオープンな対話を奨励し、より良い投資商品を構築し、そしてお客様により良い運用成果をもたらす当社の能力に貢献します。
(サステナブル・エクイティQI戦略はアクティブ運用の対象であり、構成およびパフォーマンスの面でベンチマークと比べて予想される乖離が大きい可能性が高くなっています。)
(オリジナル記事は6月30日に掲載されました。こちらをご覧ください。)
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リスク
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グローバル投資、ESG、手法およびモデル
持続可能性リスク 運用会社では戦略の投資戦略およびリスク特性を考慮し、戦略のリターンに対する持続可能性リスクの影響は低いと想定しています。
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