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アナ・ケイロス博士が「自然に基づくソリューションとしてのブルーカーボン」で2022年のアクサIMリサーチアワードを受賞


(本プレスリリースは、アクサ・インベストメント・マネージャーズ(アクサ IM)が欧州現地時間2022年11月17日付で配信した英語原文を抄訳したものです。なお、英文の原文と翻訳内容に齟齬がある場合には原文が優先します。)
 

アナ・ケイロス博士が「自然に基づくソリューションとしてのブルーカーボン」で2022年のアクサIMリサーチアワードを受賞


アクサ・インベストメント・マネージャーズ(アクサIM)は、AXAリサーチファンドと共同で、公正でグリーンな移行に焦点を当てた変革的な研究を表彰する「アクサIMリサーチアワード」1  の第2回受賞者を発表しました。

厳正な審査の結果、選考委員会は、ネイチャー・ベースド・ソリューション(NBS、自然に基づくソリューション)としてのブルーカーボン(海洋生態系に隔離・貯留される炭素)開発に関する研究を行っている英プリマス海洋研究所のアナ・ケイロス博士にアクサIMリサーチアワードを授与しました。  

気候変動に対する生態系の適応能力を高める「気候スマート」管理や、炭素吸収源として機能する「ブルーカーボン」を強化する海洋管理戦略に焦点を当てた研究のインパクトが認められ、ケイロス博士には10万ユーロ(約1,450万円)が授与されます。社会が果たすべき役割に関する認識が広がる中、同氏の研究は、自然を保護しつつ社会的・経済的に実行可能な海洋管理戦略への提言ともなっています。

アクサIMリサーチアワードには世界中の研究者から多数の応募があり、いずれも公正でグリーンな移行を推進する最も効果的な方法に焦点を当てたものでした。応募テーマには、気候変動が人々の健康に及ぼす影響、アフリカの都市計画や生活、不平等な社会における気候テクノロジーやイノベーションに関する政策の実行などが含まれました。

受賞者の研究に関して、選考委員会は次のようにコメントしています。「本年は、公正でグリーンな移行を可能にするソリューションという賞の観点に照らし、幅広い応募の中から注目すべき研究を審査し、受賞者を決定しました。今年の受賞者については、気候変動へのアダプテーション(進行中の気候変動に適応すること)とミティゲーション(温室効果ガス排出量を削減し、気温上昇効果のレベルを安定させること)を支援する「ネイチャー・ベースド・ソリューション」の研究を深めていることが大きな決め手となりました。ケイロス博士の研究については、生物多様性の測定と保護に対するユニークなアプローチであると同時に、社会的に実現可能なソリューションの追求に関する課題を克服する方法を示唆している点を評価しています」

AXAリサーチファンドおよびグループフォーサイトのヘッドであるマリー・ボガタジと、アクサIMエグゼクティブ・チェアマンのマルコ・モレリは、次のように述べています。「昨年の賞に続き、ケイロス博士のブルーカーボンおよび海洋資源の持続可能な利用への道を開く研究を支援できることを嬉しく思います。海洋生態系はまだほとんど解明されておらず、研究も進んでいませんが、資金を提供することで、生物多様性や炭素固定化の促進などで地球に多大な恩恵をもたらすことができます。アクサIMリサーチアワードは、ネットゼロ世界への移行に向けた新しいソリューションの開発を支援し、社会にプラスの影響を与えることを目指しています」

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受賞者について

アナ・ケイロス博士 (Dr. Ana Queiros)

英プリマス海洋研究所シニア海洋・気候変動エコロジスト (Senior Marine and Climate Change Ecologist at the Plymouth Marine Laboratory, United Kingdom)

研究テーマ:ブルーカーボン・エコシステム

アナ・ケイロス博士は、海藻のブルーカーボンや気候変動に関する生態学の専門家として国際的に知られており、フィールド、実験室、モデリングに基づくアプローチを得意としています。

同氏は特に、気候変動に適応するためのブルーカーボン研究の進展と生態系レベルの気候シグナルの特定を通じて、海洋生息地の管理に役立つ自然に基づくソリューション開発に取り組んでいます。

ケイロス博士は、大型藻類および沿岸炭素動態に関する世界的リーダーです。2019年に、野生の堆積海藻における炭素貯留を初めてフィールドベースで定量化し、海藻と堆積生息地の共同保全の必要性を強調する論文を発表しました。論文によれば、堆積海藻は生物多様性のホットスポットであると同時に、陸上植物よりも炭素を吸収する能力が高いとのことです。

ケイロス博士は、海洋管理のための自然に基づくソリューション開発において幅広い実績を持っています。そして、現場担当者が気候変動への耐性を、海洋に関する保全、修復、採取、海洋空間計画に組み入れることを目的とした世界的プログラムにおいて研究を主導しており、また、重要なブルーカーボン生息地管理(ユネスコ「人間と生物圏」プログラムとのコラボレーションなど)も行っています。

ケイロス博士は、COP22以降の国連気候変動会議でも、これらのテーマで発表しています。

アナ・ケイロス博士の詳細については、https://pml.ac.uk/People/Dr-Ana-M-Queiros をご覧ください。


「アクサIMリサーチアワード」について

本賞は、公正でグリーンな移行を可能にするソリューション分野において、斬新かつ先駆的でインパクトを与えることができる研究内容について、博士号取得後8年目から12年目までの上級研究者が対象となります。

賞の対象者は、以下の分野において、研究の新規性、先駆性、インパクトを示す必要があります。

  1. 2050年ネットゼロを実現すべく、社会的要素を取り入れた、気候変動緩和のための革新的なソリューションおよびアプローチ。
  2. グローバル社会において、ネットゼロ世界への移行に向けた人間行動の変化を促す方法と、それに伴うマイルストーン(中間地点)の設定。
  3. ミティゲーション(温室効果ガス排出量を削減し、気温上昇効果のレベルを安定させること)およびアダプテーション(進行中の気候変動に適応すること)の観点から、クライメート・トランジションおよび生物多様性保護において重要な「自然を基盤とした解決策」。優れた効果や他の解決策との整合性。
  4. 生物多様性の測定に役立つ革新的なテクノロジーやプロセス。例えば、生物多様性と気候変動の固有の関係性を理解する手段としての土壌の多様性など。
  5. 二酸化炭素などの汚染物質の削減における限界の見極めや進捗状況の評価という観点から、気候変動問題にとって重要な測定とトラッキング。例えば、二酸化炭素(およびその他温暖化ガス)削減のための金銭的・経済的なインセンティブとなるカーボン・プライシングやその他代替的な手法、または、温室効果ガス排出量削減や二酸化炭素除去に関する測定方法など。
  6. 二酸化炭素以外の、温暖化防止につながる「短寿命気候汚染物質」の削減。

アクサIMリサーチアワードの詳細(英語)については、こちらをご覧ください。

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