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市場変動期には低ボラティリティのリスク調整後債券リターンを追求


市場の変動が激しくなる時期には、アクティブ運用で制約を受けず、かつ分散された債券戦略が、投資家にとってリスク調整後の魅力的な債券リターンを生成しつつ、ボラティリティを平準化するのに貢献すると考えられます。アクサ・グローバル・ストラテジック・ボンド・ファンド(GSBF)戦略のポートフォリオ・マネージャー、ニック・ヘイズ がその理由を説明します。

債券で、市場サイクル全体を通して低ボラティリティのリスク調整後リターンを達成するのに最も重要な要素と当社が考えるのは、以下の通りです。

1.金利リスクおよびクレジットスプレッドリスクの双方に配分

2.デュレーション・ポジショニングを戦術的に管理

3.構造的な分散を維持

これらの要素は、市場が大きく変動し、経済見通しが不透明な時期にはさらに不可欠になります。

市場は横ばいでも、金利とスプレッドは負の相関

2023年の市場が特に厳しい状況を呈してきたことは、特別な知見がなくても明らかでしょう。国債市場は年間を通じて、わずかな時間で上下に30~50bps振れてきた一方、クレジットスプレッドは、個々の信用事由が短期的な上昇を引き起こすことがありながらも収縮してきました。債券の全領域にわたり、利回りは下降よりも横ばいの傾向で推移してきました。

この根強いボラティリティが課題となってきた反面、クレジットの売り局面で国債が反発したり、その逆もあったことから、2023年を通して金利に敏感な債券とクレジットスプレッドに敏感な債券の間の相関が負の関係に戻ったのが観察されました。この負の相関は、債券というアセットクラス全域に投資を行うファンドマネージャーにとって、活用の対象となります。

クレジットスプレッドに敏感な債券と金利に敏感な債券の間の負の相関

緑が米国債(利回り、%、左軸)、赤が米国ハイイールド債(クレジットスプレッド、bps、右軸)

出所:アクサ IM、Bloomberg、 2023年7月31日時点。過去のパフォーマンスは将来のリターンの指標ではありません。

利上げサイクルは終焉に近づく

主要国の中央銀行の多くが、直近の金融政策会合で25bpsの利上げを行い、今後の動向はデータ次第であることを強調しました。ではデータは何を示しているでしょう?様々なデータの中でも経済指標は、インフレ率が市場により速度が異なるものの、下方に向かっていることを示しています。

それは、利上げがピークに近づいていることを示しています。政策金利が下がり始める前に、横ばいの時期があるかもしれません。当社では米国が最初に、続いてユーロ圏が利下げに入ると見ていますが、英国はインフレとの闘いがまだしばらく続く様子です。

本質的にフォワードルッキングの市場は、利上げサイクルの最終局面に近づくと、変動性が高くなる傾向にあります。というのも投資家は、利上げのピーク時、横ばい、利下げといったシナリオが何を意味するのか、検討し始めるからです。現在見られる状況がそれであると当社は考えます。国債利回りは下降よりも横ばいの傾向にあり、クレジットスプレッドは景気後退予想を排除しつつあります。

アクティブ運用かつ無制約

グローバルな債券ユニバースは広大であり、当社は全体を多数の異なるサブアセットクラスから成るものとみなします。各サブアセットクラスが、金利およびクレジットスプレッドという2つの主要なリスク要因のいずれか、または両者の組み合わせによりいく分影響を受けます。当社はひとつのリスク要因の影響が他より大きいという見方は取っておらず、異なるタイプの債券リスクが債券のアセットクラスの一部に異なる形で影響を与えると見ています。

最も質が高いアセット(国債および高クオリティ債券)は、金利動向に敏感です。債券領域を下降し、低クオリティ債券およびハイイールド債の方に行くにつれ、クレジットスプレッドが影響力を増します。

市場サイクルのどこにあるかによってもまた、これら2つのリスク要因の各々の支配力が決定されます。景気が減速し後退局面にある際には、金利に敏感な資産が債券リターンを牽引するのに対し、景気が回復し拡大局面にある際には、クレジットスプレッドに敏感な資産がリターンを押し上げます。

無制約(アンコンストレインド)のアプローチを採るアクティブ運用マネージャーは、債券ユニバースの全域に触手をめぐらせ、市場サイクルを通して機会を追求します。当社はトップダウンの観点から、市場サイクルのどこにあるかを検討し、ボトムアップの観点から、どのリスク要因が特定の発行体を支配するかを検討します。 

アクティブ運用の債券マネージャーにとって、3つ目の検討要因がデュレーションです。アクティブ運用かつアンコンストレインドとは、当社がどこにデュレーションを置き、どこでエクスポージャーを取るかを選べることを意味します。パッシブ運用またはベンチマーク戦略では、デュレーションのプライスをそのまま受け容れる傾向があります。利上げサイクルが様々なスピードで終盤を迎えようとしている中、この点において完全に柔軟であることは、市場における潜在的なアップサイドを捉え、最悪のドローダウンを回避する上で重要です。

分散

債券という資産クラスは豊富なユニバースであり、市場サイクルの至る所で機会を見出すことが可能です。しかし、単一の債券リスク要因のいずれにも過度のエクスポージャーを取ることのないようにすることは、特に大きく変動する市場でボラティリティを平準化するためのカギを握ります。

十分に分散が効いたリスク・エクスポージャーを採り、グローバルな債券の領域全体に投資することは、魅力的なリスク調整後リターンを達成するための最大のポテンシャルを生むのに貢献します。自社が管理するポートフォリオ内で構造的な分散を確実に行うマネージャーは、多数のパフォーマンス源へのアクセスを得るだけでなく、単一の債券戦略に比べて低いボラティリティで、リスク調整後の債券リターンを生み出す傾向があります。

アクサGSBF戦略

市場サイクル全体を通してボラティリティを低く抑えつつ、魅力的なリスク調整後の債券リターン達成を目指す、アンコンストレインド・アクティブ運用のグローバルな債券戦略。

アクサGSBF(グローバル・ストラテジック・ボンド・ファンド)戦略の第一のリターン牽引力は、アクサ IM の債券運用能力全体にわたるトップダウン型の資産配分です。マクロ経済の環境分析により資産配分が決定され、その後にイールドカーブ上のポジションとセクター配分が決定されます。これに加えて当社では、ファンダメンタルズに関するクレジットリサーチ・アナリストの世界的チームの支援を得て、ボトムアップ型の銘柄選択を追加します。戦略の柔軟性により、当社チームは市場の価値を効率的に捉えつつ、リスクを見定めて適応させます。

戦略内の構造的分散により、クレジットや金利による個々のリスク源に関するボラティリティが最小限になります。この中核にあるのが、ディフェンシブ(国債およびインフレ連動債)、インターミディエート(投資適格債および政府関係機関債等)、アグレッシブ(ハイイールド債および新興国債)の3つの「リスクバケット」を基礎とする当社独自の投資枠組みであり、これらがポートフォリオ構築に中心的な役割を果たします。

各リスクバケットにつき、ディフェンシブ銘柄で0~100%、インターミディエートで0~60%、アグレッシブで0~60%という幅広く透明な投資の自由裁量度を設定しています。これは目標ではありませんが、アクティブ運用上の方針です。投資の自由裁量度の適用により、単一の債券リスク要因に過度に相関性をもたないようにし、全般的なリスクを最小限に抑えつつ、複数のパフォーマンス源のポテンシャルにアクセスするためです。

当社はまた、金利が変動する環境を活用する目的で、デュレーションもアクティブに管理しています。0~8年の裁量度を設けることでポートフォリオをダイナミックに調整し、マクロ経済の環境に応じて取るべきデュレーションリスクを決定できます。戦略のデュレーションは通常、従来の国債や高クオリティの債券戦略よりも低いポジションを取っており、これにより投資チームは、様々なクレジットリスクに向けた配分を行えます。その結果、広範なアルファ源全体に分散された戦略となります。

(オリジナル記事は8月31日に掲載されました。こちらをご覧ください。)


重要情報

すべての投資にリスクが存在し、元本の保証はありません。アクサ・グローバル・ストラテジック・ボンド戦略は金融市場に投資しており、突然の大幅な変動の影響を受ける可能性のある技術や手段を使用しています。そのため、大きな利益または損失が発生する可能性があります。

投資する資本にはリスクが伴います。投資の価値やそれによるインカムは、上昇することもあれば下落することもあり、最初に投資した金額が戻ってくるとは限りません。

追加リスク

  • カウンターパーティーリスク:戦略における取引(デリバティブなど)のいずれかのカウンターパーティーによる義務の不履行は、戦略の価値に悪影響を及ぼす可能性があります。戦略はこのような悪影響に対する保護目的で、取引先から資産を受け取ることがありますが、不履行の時点で同資産の価値が戦略の損失の補填に不十分であるリスクがあります。
  • デリバティブ:デリバティブは原資産よりも変動が大きいことがあり、戦略の価値を大きく変動させることになる可能性があります。証券取引所で売買されていないデリバティブの場合、追加的な取引先リスクおよび流動性リスクを抱える可能性があります。
  • 金利リスク:金利の変動は債券の価値を変え、戦略の価値に影響を与えます。通常、金利が上昇すると債券の価値が低下し、金利が低下すると債券価値が上昇します。債券のバリュエーションはまた、金利の将来の動向を市場がどのように捉えているかによっても変わります。
  • 新興国リスク:新興国または開発途上国は、先進国よりもより多くの政治的、経済的または構造的な課題に直面する可能性があります。その結果、開発途上国への投資は、先進国への投資よりも戦略の価値に大きな変動を引き起こす可能性があります。
  • 流動性リスク:投資対象には頻繁に取引されず、少量で取引されるものがあります。この結果ファンドマネージャーは、希望する時期や数量で、あるいは前回の評価額に近い値段で売却できない可能性があります。戦略内の債券が大量に償還される結果、ファンドマネージャーはそのような投資の多くを売却せざるを得ない可能性があります。市況によってはこれが戦略の価値の著しい下落につながり、極端な状況では戦略が償還を履行できなくなる可能性もあります。
  • クレジットリスク:債券の発行体が収入の支払いや資本の返済義務に関してデフォルト(不履行)を起こし、その結果戦略の価値が減少するリスク。債券価値(従って戦略の価値)は将来のデフォルトリスクに対する市場の見解の変化にも影響を受けます。ハイイールド債ではデフォルトリスクがより大きい可能性があります。
  • ソブリン債投資に関連したリスク:債券が国や政府によって発行されている場合(ソブリン債)、ソブリン債の返済を管理する政府機関は、そのような債務の条件に従って期日に元本や利息を返済できない、またはその意志がない可能性があります。ソブリン発行体のデフォルトがあった場合、戦略は大きな損失を受ける可能性があります。
  • ハイイールド債のリスク:これらの債券は信用格付けが低い企業や政府が発行したもので、投資適格債に比べてデフォルトや格下げのリスクが高くなっています。

戦略はまた、地政学的リスク、証券化資産またはCDO資産のリスク、および偶発転換社債(「CoCos」)の影響も受けます。

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