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インフレ連動債が「依然として」魅力的な理由


キーポイント

  • ディスインフレの進行にもかかわらず、インフレ見通しは依然不安定

  • 金利は抑制(引き締め)的領域にある

  • インフレ連動債は引き続き名目債券をアウトパフォームしており、デュレーションと根強いインフレにおいて良好なトレードオフを提供している

先進国全般の総合インフレ率は、昨年ピークを打った後、主に原油価格の下落により低下しています。 しかし、コアインフレ率は中央銀行のインフレ目標である2%を頑なに上回っており、中央銀行(および債券投資家)は苦境に立たされています。

2023年の市場心理は、インフレの持続性と利上げサイクルの終了時期という2つの異なるテーマに支配されています。 インフレの持続性の背景には、労働市場の逼迫、底堅い個人消費、財政赤字の増加、サプライチェーンの混乱の継続といった要因があります。また、最近のコモディティ価格上昇は、短期的に総合インフレ率に上振れリスクをもたらしており、当社はインフレ率が大幅に再加速するとは予想していないものの、見通しは依然として不安定です。

世界のインフレ率推移(米国、ユーロ圏、英国)

前年同月比、折れ線グラフは総インフレ率、棒グラフはコアインフレ率

出所: アクサIM、Refinitive Datastream、 2023年8月16日時点

このため先進国の中央銀行はインフレとの闘いを追求してきており、今年少なくとも100bpsの利上げを実施しました。 当社の見解では、この追加的引き締めによって金利は抑制的領域に入っています。 実質利回りは現在、世界金融危機以来初めてプラス領域にあり、過去数十年間そうであったように、金利上昇が経済に波及することで、今後数四半期は成長が抑制されるはずです。

経済と金利動向

灰色の部分は米国の産出量ギャップ(左軸、1年のラグ)、青線は実質フェデラルファンド金利(右軸)、点線は5年物TIPS実質利回り(外側の左軸)

出所: アクサIM、Refinitive Datastream、2023年8月16日時点

このような状況において、当社はインフレ連動債が魅力的な価値を提供すると考えています。 第一に、経済活動が減速すれば、(インフレ率が低下することで)実質利回りは実質成長の長期的な代用指標となるため、上昇するとみられます。  同時に、ブレークイーブン・インフレ率が2%~2.5%程度で推移していることから、現在のバリュエーションにはインフレプレミアムはほとんどないと思われます。当社は、将来のインフレに対する市場のミスプライシングは、インフレの上振れリスクに対して防御しつつ、魅力的な高い利回りを確保する好機であると見ています。

金利が上昇し、総インフレ率が低下しているにもかかわらず、インフレ連動債は年初来で名目債券をアウトパフォームしています。1 当社は、インフレ連動債は粘り強いインフレに対するレジリエンスを提供し、迫り来る経済見通しからも恩恵を受けるため、投資家は資本保全戦略として、ポートフォリオに引き続きインフレ連動債を組み入れるべきと考えます。

(オリジナル記事は8月18日に掲載されました。こちらをご覧ください。)

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