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グリーニアムとは、そしてそれがどのように機能するか

サステナブルボンドシリーズ:モジュール4 - グリーニアムとは、そしてそれがどのように機能するか

サステナブルボンドシリーズのこのモジュールでは。「グリーニアム(Greenium)」について、それが何か、そしてそれがなぜ投資家に関係があるのかを見ていきます。

オーストリア政府が2022年5月に発行したグリーンボンドでは、40億ユーロ(約5,800億円)を調達しましたが、250億ユーロ分の応募がありました。1  この旺盛な需要により、既存のオーストリア通常国債よりもおよそ2.5bps低い利回りで発行されました。このプレミアムは「グリーニアム」と呼ばれ、需要と供給の不均衡を反映し、以前から時折具体化している傾向です。

従来の債券とサステナブルボンドでこのような明確な比較ができることは滅多にありません。それでも当社は、グリーンボンド・ユニバースの各セグメントを調査し、グリーンボンドの理論価格が通常債券と比べてどの程度になるかを算出しました。

例えば、最も包括的でバイアスが小さいとみられるユーロ建てグリーンボンド発行に注目すると、確かにグリーニアムは存在しますが、構造的ではなく、どこでも同様ではないことがよくわかります。

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グリーニアムの状況
出所:アクサIM、ブルームバーグ、2022年9月30日時点、グローバル債券ユニバースに対するアクサIMの独自グリーニアムバリュエーションモデルに基づく。例示目的のみ

社債の中では、グリーンボンドの数や発行体の違いにより、セクター間で大きな差があります。ここでも需給がグリーニアムを決定します。不動産のように近年特にグリーンボンド発行が活発で、投資家が割高と判断すれば他の銘柄に流れるセクターでは、選択肢の少ない自動車などのセクターに比べてグリーニアムが小さくなります。

グリーンボンドに少しばかりのプレミアムを支払うことを、気にする投資家がいるかもしれませんが、当社では2022年の市場の混乱から、グリーニアム動向に関してより進んだインサイトを得ています。信用スプレッドが拡大すると、グリーニアムが増加する傾向があり、全般的な信用スプレッド拡大に対するバッファーとして機能します。これによりグリーンボンドの全般的なボラティリティは、従来債券に比べて抑制されることになります。

したがってグリーンボンドの投資家は、長期的にはより有利なリスク調整後リターンを獲得すると考えられます。

サステナブルプロジェクトに低い資金調達コストを提供することで、発行体は低炭素経済への移行に投資し、移行中の世界で生じるリスクと機会により良く対応することができると当社は考えます。

(オリジナル記事は3月1日に掲載されました。こちらをご覧ください。)

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本シリーズの目的は、サステナブルボンド投資を投資家の皆様に分かりやすく解説することです。

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