ソーシャルボンドやサステナビリティボンドへの投資
サステナブルボンドシリーズのこのモジュールでは、ソーシャルボンドおよびサステナビリティボンドを取り上げ、それらをポートフォリオでどのように活用できるかを見ていきます。
環境という観点から見て、持続可能な経済に移行するニーズは広く標榜されていますが、この移行の社会的側面に対処するニーズも同様の重要性をもちます。ストライキ、規制機関による監視、ソーシャルメディアの圧力が企業や政府に対し、拡大する不平等に対処し低中所得層支援の大きな重要性を強調してきたことから、潮流はこれに向かっています。低中所得層はまた、頻度を増し深刻化する自然災害だけでなく、移行する経済に伴う構造的変化から悪影響を受ける可能性がより高いとされています。
ソーシャルボンドは、雇用の創出、教育、または手頃な価格の住宅や医療サービスといった基本的ニーズへのアクセスに関する一連のプロジェクトに融資するよう設計された投資ツールです。
サステナビリティボンドは、社会および環境の要素を組み合わせるプロジェクトに融資することで、グリーンボンドとソーシャルボンド両方の要素を持ちます。両方のアセットクラスでは準ソブリンが発行体として最大の割合を占める一方で、他セクターの発行体数が増加しています。
下のグラフが示すように、ソブリンだけでなく産業、金融、公益事業などの企業が社会や持続可能性のプロジェクトに対して債券の発行を始めています。
重要なことは、より多くの発行体が市場に参入すると、教育、住宅、インフラ、医療といった主要な社会テーマにとって、より多くの選択肢が利用可能になります。たとえばソーシャルボンドは、低所得地域における手頃な価格の住宅または雇用を支援するために、金融機関が発行する可能性があります。より多くのソーシャルボンドやサステナビリティボンドが発行されるようになると、銘柄選択を以前よりも入念に行う必要が出てきます。このため、当社のサステナブルボンドフレームワークは、サステナビリティ戦略、プロジェクトタイプ、透明性など当社が設定した主要基準を満たす銘柄のみを特定する上で不可欠です。
ソーシャルボンドおよびサステナビリティボンドは、引き続き急成長しているアセットクラスで、さらなる多様化を必要としますが、これらの債券はグリーンボンドと同様、高い透明性および、投資家がモニターできる成果主導指標の恩恵を受けています。これらの要素は、法規制の強化や、サステナブルボンドに対して指針を提供している国際資本市場協会(ICMA)のサポートにより、改善の一途をたどると考えられます。
低炭素経済への移行には社会的問題が付きものであり、「公正な移行」である必要があります。これは、移行が誰をも置き去りにすることのない、公正なやり方で達成される必要があるという意味です。これに加えて気候変動が社会に及ぼしつつあるネガティブな影響を踏まえ、企業、政府、投資家が長期的に持続可能な経済を目指していることから、ソーシャルボンドおよびサステナビリティボンドへの需要が増大すると当社は考えます。
(オリジナル記事は3月1日に掲載されました。こちらをご覧ください。)
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本シリーズの目的は、サステナブルボンド投資を投資家の皆様に分かりやすく解説することです。
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