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COP29と米大統領選: 気候変動との闘いの今後の道筋は
主なポイント
COP29での気候資金に関する進展は、発展途上国に対する支援として約束された拠出金が2035年までにわずか年間3,000億米ドルとなるなど、限定的だった
予想されたとおり、世界が化石燃料からどのように移行するかについての追跡調査はなく、最終草案には記載さえなかった
このことは2030年までの石油・ガス生産の削減に関して良い前触れではないものの、グリーンテクノロジーにおいて中国が優位になっていることは、米国がその分野での取り組みを維持し、欧州がさらに加速するという点で主要な牽引力になる可能性があると思われる
トランプ大統領の再選は気候変動との闘いに関して多くの不確実性を生んでいるが、様々な防衛手段によって世界的レベルでの同氏の影響は限定されると見ている
企業が注目するのは経済・金融の現実であり、これが政治に優先すると見ている
COP29の乏しい成果
アゼルバイジャンのバクーで開催された気候変動の緩和に関する国連気候変動枠組条約第29回締約国会議(COP29)の進展は予想どおり、化石燃料からの脱却という極めて重要な課題を推し進めることができなかったことで、かなり限定されたものとなりました。実際、COP29で採択された合意の最終文書には、このことに触れてもいません。1
したがって今後はブラジルのベレンで開催予定のCOP30 - 国が決定する貢献(NDC)の更新内容を確認 – が注目されると思われます。
英国およびアラブ首長国連邦(UAE)はそれぞれ、このCOP29中に新たなNDCを発表した国のひとつです。英国は2035年までに排出量を1990年の水準と比べて最低81%削減することへの誓約を表明しました。これは、2030年までに排出量を最低68%削減するという以前のNDC公約と比べて進展が見られました。2
他の先進国が英国のNDCに追随するかどうかは注目すべきことと思います。これに対しUAEは、2030年までに2019年の水準と比べて19%削減する目標から、2035年までに47%削減する目標へと引上げましたが、これは国際環境シンクタンクのクライメート・アクション・トラッカーから信憑性がないとされた3 他、石油・ガスの生産量の削減に対する言及がありませんでした。これは些細なことではないと考えています。
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